6月セミナー開催レポート帰国生受験を親子で乗り切る!保護者に求められる6つのサポート〜パート②「受験対策・過去問・面接編」〜
6月2日(日)に開催された無料セミナーでは、株式会社京進 古川泰史氏をお招きし、「帰国生受験の保護者サポート」についてお話いただきました。今回は、前半に引き続き、後半のお話をレポートいたします。
入試問題の取り組み方
1.入試科目を考える
帰国子女入試は試験形式が多様化しています。中学入試の科目は、2科目(算数・国語)、4科目(算数・国語+理科・社会)だけではありません。1科目(英語)受験もあり、また復習教科から選択が可能な学校もあるのです。また3科目では、算国+英語を課す学校など、本当に形式はさまざまです。こういった多様な入試形式では、入試科目を絞ることが必要になってきます。志望する学校により、受験科目がばらばらの場合、子どもの学習負担が非常に大きくなるためです。まず、「どの科目」で受験するか、を決定してください。そして早ければ、11月から帰国生入試がスタートします。わが家が可能な入試科目に合わせて、試験対策を行ってください。
高校入試では、3科目(英語・数学・国語)・5科目(英語・数学・国語+理科・社会)のいずれかがほとんどです。
入試までの期間を見積もり、自分が実力を出せる科目を決定しておくことは、学校選びの重要な1つの方針とも言えます。
帰国子女入試が一般入試問題と同じか、別問題が用意されているかは学校により異なりますが、帰国子女用の入試問題が開示されていない場合は、一般入試用の過去問題集を購入してください。この入試問題集は、学力向上をするものではありません。問題量や難易度、出題傾向といったものを把握して、自分と入試問題との相性(取り組みやすさ)を確認します。そのうえで、現状の学力と合格までの距離(学習必要時間)を見積もって、苦手内容の克服など新たな学習を行います。
2.入試問題への取り組み方
帰国子女用の入試問題はオープンにされていない場合も考えられます。入試科目を絞り込み、志望校が見えてきたらまず気をつけるべき点は、入試問題に取り組む時間を見積もることです。受験校が5校だった場合、入試問題6年分×2教科(受験教科数)×5校=60の入試問題に取り組みます。どの学校を何年分解くといっただけでなく、採点と間違い直しも必要です。現地での学習とともに、入試書類の作成含めて並行して取り組むことが可能なのか、つまり入試問題を解くために必要な学習時間の“全体量”を見積もることが大切です。我々の個別指導Kyoshin@Homeでは、「入試問題の解説をしてほしい」というオーダーも受付けています。ご要望があれば、ぜひお問合せください。
面接について
1.面接時の注意点
面接当日には、出席確認の方法、面接の受け方、待機中の待機の仕方についての説明書きが配布される場合があります。配布された内容であっても、先生のお話であっても、慌てず指示に従いましょう。面接の待機場所が体育館のような規模の場合、たくさんの受験生に圧倒されるかもしれません。待機時間が長くなり、より緊張することも考えられます。自分のことだけを見つめて、周囲を気にしないようにすることが大切です。面接試験時は、質問する面接官の方をしっかり見るように。そしてゆっくり答えるように心がけてください。準備をせずに面接がうまくいくことは難しいはず。自分を正しく伝えるためにも面接練習は必須です。
2.面接での質問例
3.面接の想定問答集を用意する
いろいろな場面を想定して想定問答を用意しておくことは非常に重要です。質問されそうな内容を予想して、準備してください。何度も読み返すことで安心して面接試験に臨めるでしょう。
検定について
1.英語検定の重要性
中学入試・高校入試や大学入試において、英検が要件・評価、目安・基準となる学校は多くあります。英語検定を取得していることにより、加点や配慮がある学校を受験する場合は計画的に学習をしてください。最近では、コンピューター受験(S-CBTテスト)の導入により、1日でスピーキングテストまでを完了することが可能なため、一時帰国時に受験する方もいます。
中学受験で英語を教科とする場合、検定取得がその学校を受験する目安となるかもしれません。つまり、受験生自身の英検取得級と過去に合格した受験生の取得級を比べることで、合格者のレベルに達しているかが判断できるのです。
ただ、エッセイが受験科目となっている学校では、検定取得級以上に自分の考えや意見をどう表現するかが重要のため、エッセイ準備(書くだけでなく添削、書き直しまで)をする必要があります。
高校受験では、優遇措置(点数化や英語入試の点数保証など)をする学校があります。推薦や書類審査をする学校では、取得級が出願要件となる場合もあります。
検定は、計画的に準備し取得できるものです。受験学年時に慌てて取得を目指すことがないようにしましょう。
2.資格試験取得の場合は準備は欠かさない
英検、漢検はぜひ受験することをおすすめします。検定試験に向けての勉強を通して書く量、熟語量、単語量を増やすことができます。自分磨きとしても、大学入試を見据えても、長期的な視点から見て、検定試験への学習や取得はとても有用です。また、英検、漢検だけではなく興味のある内容、親子で取り組める検定を探してみてはいかがでしょうか。
帰国子女入試に向けて必要なサポートとは?
セミナー後半では、株式会社京進 古川泰史氏に実際に入試に向けての対策方法や、面接の様子や注意点をお話しいただきました。受験までの限られた時間内で、戦略的に受験科目を絞り、教科対策や作文(エッセイ)を含めて対策を立てる必要があるとのことです。また、面接に関しても入念な準備をし、各種検定(英語検定・漢字検定・算数数学検定)は、継続的な学習という観点からもおすすめであるとお話いただきました。セミナーでは、この他にも急な帰国が決まった場合や、保護者の方から寄せられた質疑応答など、実際に古川氏がご経験された事例も交えて有意義な解説を聞くことができました。
お悩みなら1度ご相談を
オンライン進学塾Kyoshin@Homeは、これまで30カ国以上の国と地域にいる数多くの帰国子女をサポートしてきました。なにより、オーダーメイド個別指導と定期的なカウンセリングによって、授業だけでなく、精神面にも配慮している点が喜ばしいことです。海外在住が長い、または短い際の受験、逆に急な赴任への不安など、それぞれの悩みが帰国生のご家庭にはあるはずです。まずは気軽に相談してみませんか?
登壇者:株式会社 京進 第一運営本部 海外ブロック長 古川泰史
2004年1月より帰国子女指導をスタートした帰国子女指導のエキスパート。海外の校舎責任者を歴任して、2020年9月に帰国。現在は海外拠点(ドイツ・アメリカ・中国)とオンライン校(日本)の統括をしている。帰国子女専門のコーディネータとして、国内外の生徒・保護者に向けての情報発信や教育相談を行っている。帰国子女とその家族が「笑顔」で生活できるように、援助を心がけています。
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