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【連載第4回 アイビーリーグ合格への道】帰国子女の大学選び~大学のカラーとは?~

磯崎みどりです。旧正月も明け、いよいよシンガポールの夏に向かって(年中夏ですが、4月が一年で一番暑い時期ですからね!)暑さが増してきていますね。12月で一旦掲載をお休みし、1月は記事を書かずにいましたが、この間、アメリカの大学の受験生は、「早期出願(Early Action;併願可能 もしくは Early Decision;単願のみ)」と呼ばれる制度に基づき、すでに合格を手にしている高校生の皆さんもいらっしゃることでしょう。

一方、主に4月に合格発表がある一般受験(Regular)の出願も1月ということで、冬休みは提出書類の作成に追われていた、という高校生の皆さんもいらっしゃることでしょう。この時期、アメリカの大学の受験生は悲喜交々の時期だと思います。

今回は、前回に少し触れた「大学のカラー」をどう選ぶか、ということについて、私見を書いてみたいと思います。

【連載】
【連載第1回 アイビーリーグ合格への道】アイビーリーグ8大学の特徴は?大学や大学院の違いもご紹介
【連載第2回 アイビーリーグ合格への道】アメリカの大学に行くには?大学の選び方や種類を徹底解説!
【連載第3回 アイビーリーグ合格への道】アメリカの大学受験の流れやエッセイ対策方法を解説

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「大学のカラー」とは?

カラーというからには色に関係するのかと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、大学ごとにスクールアイデンティティーの一環として、色彩としてのカラー(色)がありますが、ここでお伝えしようとしているのは、当然その「色」ではありません。

日本の大学でも、○○大学の学生はおしゃれだ、とか、XX大学の学生は硬派だ、等というような(こういう言い方、今でもしますかね?)大学の雰囲気というものがありますね。アメリカの大学も当然同様に「△△大学の雰囲気は・・・だ」といったように、その大学特有の雰囲気があり、それを「カラー」と呼ぶのです。

大学を選ぶ際、「GPAでいい点数を取って、いい大学に行く」というような、点数偏重主義や大学の名前を見て有名大学かどうかだけで考えると、アメリカの大学選びは間違うことになります。

大学側は、高校の成績であるGPA、課外活動、エッセイ、卒業生とのインタビューなど、さまざまな観点から審査されます(前回の掲載に詳細)。したがって、大学側はその大学の雰囲気に合う、大学側がこの生徒なら大学に来て欲しいと思うような生徒を選びます。

ですから、出願する際も、点数だけを考えるのではなく、自分の性格をよく知り、自分に合うと思う、つまり、自分の性格や学習スタイルに合う「カラー」の大学を選ぶことが大切なのです。

自分の「カラー」を知るとは?

自分の「カラー」を知るとはどういうことなのでしょうか。帰国子女枠で日本の大学への出願書を提出する場合も、アメリカの大学のApplicationやEssayと似ているため、日本語で出願書を書く生徒の願書の内容を指導、添削する立場から感じたことを書きたいと思います。

まず、しっかりと自分の学びたいこと、自分がこれまでやってきたことすべてを整理して書ける、話せるようにすることが一番大切です。そういうことができる生徒は合格を勝ち取っています。

つまり、願書に書けるから、というだけの短期の活動や、願書に書くと見栄えがするだろうと思って選ぶ活動は、自分の「カラー」に合ったものと言えるのかどうかという疑問が湧きます。

誰かに言われたのではなく、本当に自分がやりたいと思うこと、自分が本当に好きだと考え続けてきたことが出来るかどうかをもとに選ぶ大学が、自分の「カラー」にあった大学と言えるのではないでしょうか。

アメリカの大学合格の話からそれるのですが、今まで指導した生徒で日本の大学の帰国子女枠で無事希望の難関大学に合格している生徒は、自分のやりたいと思うことがはっきりしていて、それを自分の言葉で説明することができました。

願書の内容も明確で、論理的に説得力のある文章で志望理由を書いていました。その一方、あまり大学で何を学びたいかがはっきりせず、誰かの願書の内容を真似をして書いている生徒は、希望の大学に合格できないであろうことは明白でした。

国は違っても、アドミッション入学の場合は、自分を知りそれを的確に伝えられる力が最重要と言えるでしょう。

大学側が「カラー」に合う学生を選択する

上記で自分の「カラー」を知っておく必要があるということについて書きましたが、次回、生徒の皆さんが「自分を知る」ことができるようになるために、親としてどのように導いていくといいかについての提案を書いてみたいと考えているのですが、私はAdmissionでもなければ、大学の採用側の立場にいたこともないので、ここでは、大学側の思いであろう、と思われることを推測で書いてみます。

授業で魅力的なプレゼンをする生徒と、そうではない生徒と、両方を見てきた中で思うことは、その場で求められていることを見抜き、それに合わせて自分のストーリーを作り上げることができる生徒は、魅力的な話し方をすることができるということです。

ですから、やはり大学のAdmissionは、その年にほしいと思う学生像を決め、それに合う学生を合格させるのだろうと思うのです。それが大学側が「カラー」に合う学生を選択するという意味だと言えます。

なんだか謎解きのような書き方かもしれませんが、もちろん成績も重要ですが、アメリカの大学の合格は、言ってしまえば大学側が欲しい生徒に与えられるものなのですから、大学側が求めることをよく知り、それが自分の求める像と合うのかどうかを客観的に捉え、求める像と合う大学を選べる、ということが大切なのだと思います。

まとめ

今回、「アイビーリーグの大学への合格の道」というよりは、「大学合格のためには自分を知ること」といった内容となりましたが、アイビーリーグの場合は「自分を知ること」だけにとどまらず、そこからいかに「自分を知り、さらには自分の強みをどれだけうまくアピールできるか」が重要なのではないかと思います。

アイビーリーグの大学は、やはり人気が高く、目指す生徒は多いので、競争が激しければ激しいだけ、自分を売り込める、他の生徒とはどのように違うのかをアピールできることは大切でしょう。自分を知り、自分を売り込むことができるようになるには、どういった育て方がいいのかという、子育ての提言の一つを次回に書きたいと思います。

磯崎みどり氏ご紹介

継承日本語指導者として、20年以上の実績を誇り、アメリカコロンビア大学大学院で継承語について研究、修士課程を修了。

アメリカ、シンガポールの補習校指導を皮きりに、現在シンガポール日本語文化継承学校校長。また、IBDP認定指導員として、日本語文学(Japanese A Literature)を指導。シンガポールではAIS(オーストラリアンインターナショナルスクール)でIBDP日本語文学、IGCSE相当の母語日本語、Tanglin Trust SchoolでGCSE、A Level日本語を指導。その他、Marlbourough College (Malaysia)のIB Japanese A LiteratureのSSST (School Supported Self Taught)を指導。

英語指導については、シンガポール日本人学校中学部の英会話クラス講師、早稲田渋谷シンガポール校英語教員を歴任。

自身がマルチリンガルの娘を育て上げた母親の一人。

日本語文化継承学校のご紹介

日本語文化継承学校は、日本国籍をもちながらも、海外生活が長く、早急な日本への帰国予定がない、もしくはシンガポールに永住する子供たちを主な対象とした、日本語と文化の両面から学ぶことを目的とした学校です。

さまざまな環境の子どもたちにあった学びの場を提供するため、日本語文化継承学校はさまざまなコースを開催しています。

詳しくは、ホームページ

日本語文化継承学校の日本語教師募集

継承学校は、継承語として日本語を学ぶ子どもたちを応援する学校です。
一緒にそういった子どもたちを指導してくださる教員を募集しています。
詳細を知りたい方は、sjkeisho@yahoo.co.jp にご連絡ください。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

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