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アイビーリーグ8大学の特徴は?大学や大学院の違いもご紹介【連載第1回 アイビーリーグ合格への道】

磯崎みどりです。アイビー・リーグ(Ivy League)の大学について連載を、との依頼を受け、今日から何回かに分けて書いていきたいと思います。ただし、私の目から見た、主観的な感想も入り混じることになると考えています。アイビー・リーグのどこかで学びたい!と思われている方は、参考にしていただいた上で、ぜひ、ご自分でも納得いくように大学調査をしていただきたいと思います。まずは一般的な話から始めましょう。

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アイビー・リーグ(Ivy League)と呼ばれる大学とは

オンラインで調べると簡単にいろいろな言葉の定義や背景が分かる時代ですから、この記事を読んでいる皆さんもご自分で調べられることと思いますが、まずはオンラインに見られる定義を貼り付けてみます。

「アイビー・リーグとは、アメリカ合衆国北東部にある8つの名門私立大学の総称です。 「アイビー・リーグ」という呼び名は、これらの大学が大学界のエリートであると考えられていた1930年代に生まれたと言われています。」米国の政財界・学界・法曹界を先導する卒業生を数多く輩出していて、構成大学はブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、イェール大学(ABC順)の8大学。

いずれも各種ランキングで全米トップクラスに位置する難関校とみなされています。特にハーバード大学、プリンストン大学、イェール大学(ABC順)はBig3と呼ばれ、アイビー・リーグの中でも特に力を持つ大学と言えます。世界から学生が集まるアメリカの大学ですが、学部生についてはアメリカ国籍を持つ学生が9割以上を占め、外国国籍の学生は、大学によってその割合は変わりますが、1割ない程度の人数しか受け入れません。

具体的には、大学の定員に占める外国人留学生の割合は2012年5月では5.8%、2019年11月には8.0%を数えたと言われています。増えたと言ってもその程度の人数です。ですから、外国国籍の生徒にとっては入学そのものが大変難しいのが現状です。

そしてもとより卒業のための条件は大変厳しく、必ず卒業が約束されているところではありません。また、アメリカの私立大学はほとんどがその学費が高額ですが、さまざまな奨学金がある大学もあり、Need-Blindという、外国国籍の生徒に対しても経済的な支援を必要としているかどうかに関係なく合否判断するというポリシーの大学もあります。

アメリカ国籍の人に対してはNeed-Blindですが、外国籍の生徒に対してはNeed-Awareの大学がほとんどなので、大学公式ウェブサイトの記載内容に注意することが必要です。アイビー・リーグの大学の中では、ダートマス大学、ハーバード大学、プリンストン大学、イェール大学(ABC順)の4大学がNeed-Blindで合格者を決める大学です。

アメリカの大学の学部(Undergraduate)と大学院(Graduate School)の違い

アイビー・リーグについて書いていくのですが、アメリカの大学と大学院の区別についても簡単に紹介することで、アイビー・リーグで学ぶと言っても、学部の場合と大学院の場合で少しニュアンスが違ってくることを知って頂こうと思います。まずはアメリカの大学全般の学部と大学院の違いについて知ることで、大学選び方も違ってくると思われるため、少し説明したいと思います。

アメリカでは専門性の高い分野は大学院で学ぶことになっています。法学、医学、獣医学、カウンセリング、セラピーなどは大学院でしか勉強できません。例えば法学部に行きたい、と思っていても、学部生の時には法学を学ぶことはできません。ですから、「○○で有名な大学」という説明があっても、それは大学院のことを意味することがあります。その上、大学院では、その学部の中でどの分野で特に優れているかが細かく分かれていて、それがそれぞれの大学のカラーとなっています。

例えば、ハーバード・ロー・スクールに次ぎ、全米で2番目に古いロースクールであるニューヨーク大学・ロー・スクール(NYU Law)は、国際法学・税法学ではハーバード・ロースクールよりもランキングは上で、全米ランク1位です。ですから、大学の名前が有名だということだけで選ぶと、思ったような学びが得られなかったということがあり得ます。大学・大学院選びの際は、これから学びたいと思うことをはっきりさせ、その学部・学科が強い大学を選ぶということは重要です。

ただ、高校を卒業したばかりの18歳に、そこまで深く専門について理解できているかというと、そうではないはず、というのがアメリカの大学の考え方です。アメリカでは大学学部生の間は、人間性を高め、世の中をけん引していくリーダーの養成が大学の役割としてカリキュラムを作り上げていると言われています。

そのため、自分探しと人間形成が学部生の間に学び身に付けるべき重要なことと考えられているので、多くの大学がリベラルアーツという形で学部生を受け入れます。つまり、どの学部で学び何を専門にするかを探れる、日本の大学でいうところの1、2回生の間に学ぶ教養から始めるのがリベラルアーツの大学です。

3回生になるまでに自分の専門を決定すればいいので、大学に入学する際に考えていた学部と最終的に専門として決める学部が違っても問題ありません。さらには、大学で学んだことがそのまま大学院に行くことになるとも限らず、特に大学院のみで学ぶことになっている分野については、その条件を満たしてさえいれば、それまで学んでいたことがそのまま大学院の学びになると考える必要もありません。

アイビー・リーグの大学は学部生はリベラルアーツスタイルで学びます。そういう状況もあってでしょうが、学部の場合は全体の10%に到達しない程度の人数しか受け入れない外国国籍の学生は、大学院では20%程度、コロナ後の2023年度は22.4%の留学生が受け入れられているとのことです。

ただし、学部生でも学部を選ぶ際に条件が付くこともあるので、リベラルアーツの大学だとしても、何を学ぶにしても、必ず希望の学部・学科については大学に応募する前に、高校で学んだ科目が条件を満たしているかを確認することは必要です。

まとめ

今回はアイビー・リーグとはどんな大学なのか、という基礎中の基礎について説明し、アイビー・リーグに限らず、アメリカの大学における大学と大学院の違いについても書きました。次回以降ではアイビー・リーグ以外の大学にも触れることで、アイビー・リーグの大学と比較してみたいと思います。

磯崎みどり氏ご紹介

継承日本語指導者として、20年以上の実績を誇り、アメリカコロンビア大学大学院で継承語について研究、修士課程を修了。

アメリカ、シンガポールの補習校指導を皮きりに、現在シンガポール日本語文化継承学校校長。また、IBDP認定指導員として、日本語文学(Japanese A Literature)を指導。シンガポールではAIS(オーストラリアンインターナショナルスクール)でIBDP日本語文学、IGCSE相当の母語日本語、Tanglin Trust SchoolでGCSE、A Level日本語を指導。その他、Marlbourough College (Malaysia)のIB Japanese A LiteratureのSSST (School Supported Self Taught)を指導。

英語指導については、シンガポール日本人学校中学部の英会話クラス講師、早稲田渋谷シンガポール校英語教員を歴任。

自身がマルチリンガルの娘を育て上げた母親の一人。

日本語文化継承学校のご紹介

日本語文化継承学校は、日本国籍をもちながらも、海外生活が長く、早急な日本への帰国予定がない、もしくはシンガポールに永住する子供たちを主な対象とした、日本語と文化の両面から学ぶことを目的とした学校です。

さまざまな環境の子どもたちにあった学びの場を提供するため、日本語文化継承学校はさまざまなコースを開催しています。

詳しくは、ホームページ

日本語文化継承学校の日本語教師募集

継承学校は、継承語として日本語を学ぶ子どもたちを応援する学校です。
一緒にそういった子どもたちを指導してくださる教員を募集しています。
詳細を知りたい方は、sjkeisho@yahoo.co.jp にご連絡ください。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

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