【2023年】帰国子女・海外子女必見!一時帰国の体験入学を徹底解説~小学校編~
一時帰国時に小学校の体験入学を計画している、海外赴任中のご家族も多いのではないでしょうか。日本の小学校への体験入学の手続き方法や必要な学用品など、体験入学の際に役立つ情報をご紹介します。さらに、体験入学で経験できることや、注意したいポイントも併せてみていきましょう。
また、実際に体験入学を経験されたお子さまを持つ方へのインタビュー記事も公開中。ぜひご参考ください!
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帰国子女の一時帰国中の体験入学とは?
一時帰国中の「体験入学」とは、一般的に海外在住の日本人の子どもたちが、一時帰国している短い期間に日本の学校に通い、日本の学校生活を体験することです。
現在、日本では体験入学という制度は確立していません。体験入学の実施は、市区町村の教育委員会の裁量に委ねられています。そのため、学校によって体験入学ができる期間や条件などが異なります。
また、教員不足の問題に直面している自治体も多く、教員が多忙なため、受け入れを行っていない学校もあります。一方で、海外から本帰国した家族や子どものために、日本語を学べるクラスを用意するなど手厚いサポートを実施している地域もあります。学校や自治体によって受け入れ体制が異なるので事前に確認すると良いでしょう。
◆体験入学の学校選び
まずは、体験入学する学校を探しましょう。探す際には、次の5つを学校または教育委員会に問い合わせてみてください。
①受け入れ可能か否か
②受け入れ可能な時期や期間
③受け入れ可能な学年
④必要な学用品や費用(給食費など)
⑤必要書類
事前に聞きたいことをまとめておくと、聞き忘れもなく安心です。また、学校側から子どもの日本語の学習レベルや、子どもの性格や得意なことなどを聞かれることもあります。
子どもの日本語レベルを把握できる日記や作文などの提出を求められることもあるようです。一時帰国前に用意しておくと良いでしょう。
学校や教育委員会に体験入学の希望を伝えるのは、帰国する1カ月から遅くても2週間前までに済ましておくことがおすすめです。体験入学の準備には、学校側も申し込む側も時間が必要です。
特に、申し込む側の必要書類や学用品の準備には思いの外時間がかかります。時間に余裕を持って申し込み、きちんと準備を整えて体験入学の日を迎えましょう。
◆学校のHPをチェック
学校を選ぶ際には、各学校のホームページを活用しましょう。学校の詳細や特徴を見ることができます。問い合わせフォームがある場合は、学校にメールで連絡をしてみましょう。
◆直接学校に問い合わせてみる
滞在予定の学校や教育委員会に直接連絡する方法もあります。日本に親族や知人、友人がいる場合は、親族や信頼できる知人や友人に依頼しても良いでしょう。
体験入学の申し込みの流れ
◆必要書類を揃える
体験入学する学校が決まったら、体験入学に必要な書類をそろえましょう。体験入学を編入学として取り扱う学校や、体験入学として取り扱う学校があります。それにより必要書類が異なるので、注意が必要です。
帰国前に用意できる書類もあれば、帰国後に用意しないといけない書類もあります。帰国前に、パスポートのコピーや印鑑などはあらかじめ用意しておくと準備がスムーズに進みます。 学校や教育委員会に必要書類をしっかりと確認して、不備がないように注意しましょう。
◆必要な学用品リスト
必要書類をそろえながら、学用品の準備も行いましょう。必要な学用品は、体験入学をする学校に確認しましょう。ここでは、代表的な学用品と入手方法をまとめています。
【学用品の例】
学用品 | 入手方法 |
ランドセル | ・リユースショップ・学校からの貸出・ランドセルメーカーからの貸出・リュックサックなどで代用可能な学校もあり |
筆記用具 | ・文具店、100円均一ショップ、ホームセンターや量販店など |
制服 | ・学校からの貸出(私服の都道府県もあり) |
上履きと上履き入れ | ・靴屋、ホームセンターや量販店など |
体操服と体操服入れ | ・学校からの貸出 |
水筒 | ・ホームセンターや量販店など |
紅白帽子 | ・学校からの貸出、100円均一ショップなど |
給食袋(箸・おしぼりなど) | ・100円均一ショップ、ホームセンターや量販店など |
ノート(連絡帳・漢字練習帳など) | ・学校での共同購入、文具店、100円均一ショップ、ホームセンターや量販店など |
プール用品(水泳帽・水着・タオルなど) | ・100円均一ショップ、ホームセンター、学校から指定水着の貸出 |
教科書 | ・学校からの貸出・コピーで対応・文部科学省からの無償配布・海外子女教育振興財団からの無償配布 |
学用品の準備ポイント
短期間の体験入学用に、日本の小学生と同じ物をすべて揃えるのは大変です。学校に相談すると、学校からの貸出がある場合や、現在使っている学用品をそのまま使用できる場合があります。まずは学校に確認すると良いでしょう。
◆貸与の有無をチェック
ランドセルや制服、体操服などは貸出を実施している学校があります。事前に学校に確認してみましょう。教科書に関しては、教科書のコピーを使用する学校や、貸出を行っている学校など対応はさまざまです。
また、文部科学省では、海外に在住する日本人学校や補習校に通う子どもたちに、大使館や領事館を通して日本の教科書を無償で配布しています。
◆教科書やプリント
年度の途中で海外に戻る子どもたちの教科書については、海外子女教育振興財団が教科書配布の窓口となっているようです。文部科学省や海外子女教育振興財団の教科書無償配布の条件を確認して、活用しましょう。その際は、体験入学する学校と同じ教科書が無償配布されるのかどうか、しっかりと注意しましょう。
◆名前の記入
日本の学校では海外の学校とは異なり、学用品の名前の記入方法や記入箇所、学用品のサイズや形状などを細かく指定している学校があります。
学用品1つ1つに記名するのは、とても時間がかかるので、名前シールや名前スタンプを活用するのも良いでしょう。時間に余裕を持って学用品を揃えて、名前の記入漏れやサイズの間違いなどがないようにしておきましょう。
体験入学で経験できることは?
子どもたちは、体験入学でどのようなことを経験できるのでしょうか。学校や体験入学をする時期によって経験できる内容は異なりますが、一般的な内容を学習面と生活面に分けてまとめました。
◆学習面
国語の教科書には、日本の有名な作家の物語や詩が掲載されていることが多くあります。日本の文学に触れられるとても良い機会になります。海外生活の長いお子さんにとっても、日本語のブラッシュアップの機会になるでしょう。
体育では、夏はプールの授業を実施している学校もあります。日本では夏に海や川でのレジャーが盛んなので、プールの授業があります。これも日本ならではの授業です。
【学習面での経験】
国語 | 漢字練習・教科書の音読 |
体育 | 縄跳び・跳び箱・長/短距離走・球技・プール(夏) |
音楽 | 鍵盤ハーモニカ・リコーダー・合唱/合奏・日本の歌など |
宿題 | 基本的に宿題は毎日ある漢字練習や計算ドリルなど |
◆生活面
日本の学校には給食の時間があり、教室でクラスメイトと一緒にみんなで同じ献立を食べます。事前に学校へ相談すると、アレルギーメニューなどの対応もしてくれます。
給食は、生徒自らが食事の配膳や片付けまで行い、おいしく楽しく食育や食事のマナーが学べる時間です。四季豊かな日本では、給食でも季節の食材を取り入れて、自然の恵みや節分や冬至などの行事を含めた食文化を学びます。
栄養バランスの良い日本の給食を通して、近年深刻化する子どもの食生活の乱れや肥満・痩身傾向などを改めて考える機会になるでしょう。
また、日本の学校ではほぼ毎日、掃除の時間が設けられています。使ったものは片付けることや、毎日使う場所をきれいにすることなど、整理整頓などの習慣が身につきます。
友人との登下校は、海外の学校ではあまり見られない、日本の独特の習慣とも言えるでしょう。親としては少し不安かもしれません。しかし、友人との会話を楽しみながら下校する時間は、子どもにとって友人関係を育むとても有意義な時間となるはずです。
高学年になると、クラブ活動を実施している学校もあります。自分のやりたいことや好きなことに熱中できる楽しい授業です。自分の興味のあることや好きなことを自ら選択することで、自主性も培われます。
【生活面での経験】
給食 | 食育、配膳や片付けも行う |
掃除 | 教室や廊下、階段などを分担して毎日掃除をする |
友人との登下校 | 友人と一緒に登下校する(学校によっては、グループで登下校する場合もある) |
クラブ活動 | サッカー・野球・卓球・柔道・吹奏楽・美術・書道などから選択 |
学校行事 | 防災(地震)訓練・社会見学・運動会など |
体験入学で注意するべきポイントは?
体験入学は、子どもにとって新しい環境であり、未知の世界です。体験入学の前は、子どもと一緒に体験入学について理解を深め、心の準備をする時間を作っておくことがおすすめです。必要書類や学用品だけでなく子どもの心の準備も整えて、気持ち良く体験入学の日を迎えたいですね。
体験入学が始まったら、子どもの心のケアに目を向けましょう。文化や習慣の違いなどで戸惑うこともきっとあるはずです。子どもの話をしっかり聞き、不安や心配なこと、友だちとのトラブルなど、子どもからのSOSや心の変化を見逃さないようにしましょう。
また、先生と保護者が、日頃からコミュニケーションをしっかり取って学校や自宅での様子を伝え合うことも重要です。同時に、学習面のサポートも大切です。「学習内容に困っていないか」や「学習進度に戸惑いがないか」など、常日頃からお子さんとコミュニケーションを取っておくと安心ですね。
体験入学で日本の学校生活を楽しもう
一時帰国で小学校の体験入学を計画している方に向けて、学校の探し方や手続き方法、必要な学用品などの体験入学の情報をご紹介しました。体験入学は、海外の学校生活では味わえない素敵な経験ができる機会です。子どもたちにとって、とてもよい刺激になることでしょう。ぜひ、一時帰国中に体験入学に出かけて、日本の学校生活を楽しんでください。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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