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現地校or日本人学校の選び方〜アメリカでの学校選び、どうする?〜

お子さまを帯同してのアメリカ転勤。お子さまの学校はアメリカ現地校?それとも日本人学校?どちらにするか悩まれている方必見!アメリカ現地校と日本人学校両者の特徴やメリット、選び方のポイントを詳しく見ていきましょう。

アメリカ現地校、日本人学校それぞれの特徴は?

アメリカ現地校の特徴

アメリカの現地校(公立学校、パブリックスクール)は、アメリカの教育システムに基づいて運営されています。

●言語環境
アメリカ現地校の授業は英語で行われます。通っている生徒も、英語を母語とする生徒たちが多いことが特徴です。

●カリキュラム
アメリカは、州ごとに独自の教育システムを構築しているため、カリキュラムは州や学区ごとに異なります。ただし、英語(国語)や算数(数学)については「共通コア州スタンダード」(=Common Core State Standards: CCSS)という基準があり、学年相当に到達が必要なレベルを設定しています。

また、これから学校探しをする方に知っておいてほしいのが「学区」制度です。アメリカでは固定資産税の税収が、学校教育費として使われることがあります。そのため、地域の住民の所得がその地区の教育カリキュラムに反映しているといわれています。学区は必然的に居住区域となりますので、希望の学区のエリアがあれば、お住まいもそのエリアで探す必要があります。

学年の区切りや詳細については関連記事をご覧ください。

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●学校文化
アメリカの公立学校は「アメリカの国民としての教育」を行う場であるため、アメリカの文化や習慣が反映されています。さまざまな文化背景を持つ生徒が集まっており、多様な文化や民族の伝統行事を学ぶイベントが学校で開催されることもあります。

これらを通して生徒たちが自身の文化的ツールや伝統を大切にすることを奨励されます。また、クリスマスやユダヤ教の祝日である「ハヌカ」(Hanukkah)や、アフリカン・アメリカンの文化を祝う「クワンザ」(Kwanzaa)など宗教祝祭を学ぶ機会があります。多様な文化を尊重し、生徒たちが互いの違いを理解し合える環境づくりがされています。

●成績など、評価方法
学力の成績だけでなく、子どもそれぞれの発達や個性、強みや課題などに焦点をあて、総合的な評価を行います。例えば、授業では参加度や努力する姿勢、日常生活では協調性や他者への思いやり、創造性などです。また、他の人と意見が違ったとしても、自分の意見をしっかりと発言できる力も大いに評価されます。

日本人学校の特徴

日本人学校は、海外に住む日本人の子どもを対象とした、文部科学省認定の教育機関です。文部科学省によると現在、アメリカで日本人学校のある州はシカゴ、ニューヨーク、ニュージャージー、グアム、カリフォルニアです。

●言語環境
授業は日本語で行われ、生徒のほとんどが日本人です。

●カリキュラム
日本の学習指導要領に準拠したカリキュラムが採用されています。日本の教科書を使用し、日本と同等の教育内容を提供します。同時に、日本人の軸を持ちつつも国際的な視野を持つことができるよう、アメリカの環境を活かした学びの機会が多くあるのも特徴的です。現地校との交流の機会が設けられていたり、通常の日本の学校よりも多くの時間の英語の授業が提供されています。

●学校文化
日本の学校文化が維持されています。例えば、朝礼や掃除の時間、学級委員会活動などが行われます。また、海外に住みながらも四季を感じられる日本の伝統行事、書道体験、豆まきなど日本文化を学ぶ機会を設け、日本人としてのアイデンティティを育んでいます。

●学年制度
4月始まりの日本の学年制度に従っています。

●教職員
日本から派遣された教員や、現地で採用された日本人教員が指導にあたります。

アメリカ現地校、日本人学校それぞれのメリットは?

アメリカ現地校のメリット

●英語力の向上
英語の環境に浸かることで、日常的な会話、アカデミックな英語力双方を自然に伸ばすことができます。アメリカの公立学校では、英語を母語としない生徒のためにESLクラス(English as a Second Language)を設置している学校もあり、英語力向上とアメリカ文化理解へのサポートを受けることができます。もちろん渡米の年齢、滞在年数やお子さまの性格によっても英語力の習得の度合いは異なりますので、ご家庭の状況に合わせて考える必要があります。

●異文化理解
多様な背景を持つ生徒たちと交流することで、グローバルな視点を養えます。また、現地の友だちを作ることで居住する地域のコミュニティに馴染みやすく、より深くアメリカの生活を知ることができるでしょう。

●費用
公立学校の場合、授業料が無料であることが多いです。

●将来の選択肢
学問としても通用する英語力を身につけ、アメリカの教育システムを修めることにより、将来的に海外の学校も進学先として視野に入れることができます。

日本人学校のメリット

●日本語力の維持
日本語での授業を受けることで、母語である日本語力を維持・向上させることができます。

●日本の教育水準の維持
日本の学習指導要領に沿った教育を受けられるため、帰国後の学校生活にスムーズに適応できます。同時に、海外の日本人学校ではアメリカ現地のコミュニティとの交流も積極的に行われているため、日本人としてのアイデンティティを持ちつつ、アメリカの文化を肌で感じることができます。

●心理的安定
言語や文化の壁が低いため、日本を離れた子どもにとってストレスの少ない環境で学ぶことができます。

●日本の受験対策
学校では日本の教育水準に沿ったカリキュラムを採用しているため、日本の中学・高校受験を視野に入れた学習が可能です。また、現地校の勉強と並行して日本の受験勉強を行うと多忙を極める状況になりますが、それに比べると時間のゆとりがあると言えるでしょう。

●日本人コミュニティとの繋がり
アメリカという異国の地で日本人として生活する際に、同じ日本人である家族との出会いは精神的にもほっとするものです。日本人学校とはいえども、学校を一歩出るとそこはアメリカ社会。日本人学校であれば、日本人同士のつながりを築きやすい環境です。

アメリカ現地校、日本人学校を決めるポイントは?

●子どもの性格と年齢や適応力
子どもの性格や年齢、新しい環境への適応力を考慮しましょう。幼い年齢であれば、言語の壁も関係なく環境に溶け込みやすいかもしれません。しかし、アメリカ現地校に通う場合、学年があがるにつれ、日常生活、勉強ともに英語力のハードルは高くなります。環境に慣れるのに時間がかかるかもしれませんが、外向的であったり、好奇心旺盛で言語の違いなどものともしない性格であればアメリカの現地校のほうがむしろマッチすることもあります。

●滞在期間/将来の進路を掛け合わせて考える
滞在期間があらかじめ分かっている場合は、帰国後の進路を見据えてどちらの学校が最適か検討することができます。子どもがまだ小さく、短期滞在で日本に帰国してもまだ低学年、というような場合は、現地校に通っていても帰国後の学業を心配する必要がありませんよね。

短期滞在だけれども渡米時に年齢が高い場合、もしくは長期的な滞在で帰国後の年齢が高学年や中学、高校の場合はその後の進路で海外、日本、どちらの道に進みたいかにより、選択肢は異なるでしょう。

●家族の希望
海外経験を通して何を得たいのか、家族で話し合いましょう。語学力向上を重視するのか、学力の維持を優先するのかなど、家族の価値観が重要です。

●現地の教育事情
滞在予定地域の教育レベルや、学校の評判なども考慮に入れましょう。アメリカの教育レベルは州によっても異なり、また学区によっても大きく異なります。また、現地校におけるESLクラスも地域によっては設置されていない学校もあるため、その有無を確認することが必要です。

●実際に学校を見学する
可能であれば、実際に学校を見学したり、体験入学をしたりすることをおすすめします。校風や雰囲気を直接感じることができます。お子さまがどう感じるか、意見を聞くことも重要です。アメリカの現地校であっても日本人の多く通う学校の場合、学校の配慮で英語のできる日本人と同じクラスに入れてもらえることもあります。

お子さまに合わせた最適な教育環境を!

アメリカでのお子さまの教育環境で、現地公立学校と日本人学校の選択肢がある場合は悩まれる方が多いことでしょう。それぞれに特徴やメリットがあり、どちらが良いかはお子さまの年齢や性格、またご家族の教育方針や滞在年数によります。一概に「こちらが良い」という答えはありません。いずれを選んだとしてもお子さまのアメリカでの滞在経験はかけがえのないものになるでしょう。また、一方に決めたからといって固執するのではなく、転校という形で柔軟に教育環境を変える心構えを持つことも大切です。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

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