海外教育移住とは?海外留学はいつから?移住におすすめの国はどこ?疑問を徹底解説!
シンガポールやマレーシア、イギリスやアメリカなどへ教育移住するご家庭が増えています。今回はその教育移住について気になることをまとめてみました。
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海外への教育移住とは?
海外への教育移住とは、「子どものより良い教育環境を求めて海外に移住すること」です。理由はご家庭によりさまざまですが、おおまかには下記のように分類されるのではないでしょうか。
・グローバルな環境で育てたい ・教育水準が高い国で育てたい ・子どもの個性に合った環境で育てたい ・子どもに幸福感を感じて育ってほしい |
背景としては、グローバルな教育を受け、グローバルな仕事に就く親が増えた、日本の教育システムが子どもやご家庭の状況に合わない、などが挙げられるでしょう。
海外教育移住や留学で得られるもの、メリットは?
海外教育移住で得られるものとして「英語などの高い語学力」が真っ先に頭に浮かんできます。もちろん海外で教育を受けると語学力は身につきます。しかし、語学力以上に大切なものを得ることができます。
◆1.多様性を受け入れることができる
移住先にもよりますが、海外は日本のように単一民族国家のところは少ないです。学校に異なる人種や宗教の子どもがいることで、異文化を知り多様性を受け入れやすくなります。また、多様性を受け入れることにより他者への理解や思いやりを深められるようになります。
◆2.特技や個性を伸ばすことができる
日本の学校では、協調性を重んじるため際立った特技や個性は褒められたり注目されたりすることは少ないでしょう。しかし、海外では「個性」や「特技」は日本よりも尊重されています。そのため、子どもたちも自分の強みを伸ばし、自信を培っていくことができます。
◆3.自己表現が豊かになる
多様性や特技、個性を受け入れられる環境にいることで、自分の意見を言いやすくなります。また、自分が困っている時、日本のように空気を読んで誰かが「大丈夫?」と察する環境ではないため、困ったことは自分から発信していく必要があります。そのため、自分の気持ちを発信していく自己表現が豊かになります。
海外教育移住のデメリットは?
海外に住むため、当然のことながら日本語や日本文化に疎くなってしまうのは避けられません。しかし家庭での努力で避けることができるものもあります。
◆1.日本語が苦手になる
仕方のないことではありますが、海外で現地の生活に馴染むにつれ日本語に触れる機会が減り、日本語は苦手となります。日本人なのに日本語が苦手、というのは本人の後々の悩みになりかねません。海外へ教育移住する際は日本語維持の方法についても調べておきましょう。
◆2.日本特有の文化への理解が薄くなる
海外での異文化が身に付く一方で、日本独自の文化への理解が薄くなる可能性があります。「おもてなしの文化」、「察する文化」、「協調性を重んじる文化」など日本特有の美徳とされる文化に戸惑いを感じるようになるかもしれません。日本人としてのアイデンティティが形成されにくいとも言えるでしょう。
◆3.日本の義務教育を受けられない
環境を変えるために日本を離れるので当然のことですが、海外でインターナショナルスクールなどに通うことになると、日本の義務教育が受けられません。社会でいうと、日本の歴史上の人物や日本の地理に疎くなります。また、日本の義務教育は「詰め込み式」と批判的な声がある一方で、「基礎基本」をしっかりすることから、その後の学力が上がりやすいとの高評価の声もあります。
教育移住に向けて準備することは?
海外への教育移住に向けて、お子さまが身につけておくと良い習慣などをご説明します。
◆1.日本人として日本のことを知っておく
海外に行くと、日本にいる時よりも「日本代表」として日本を紹介する機会が多くあります。インターナショナルスクールでは自国の料理を紹介する「フード フェスティバル」のようなイベントがあったり、自国の衣装を着て登校する日があります。その際、日本のことを少しでも多くクラスメイトに知ってもらえると嬉しいですよね。
◆ 2.好きなことを見つける
勉強だけでなく「好きなこと」がある子どもは精神的にも強いです。留学先で学校が楽しくない時期があっても、自分の好きなことに没頭する時間や好きなことができる習い事に参加することで、気持ちが和らぐことがあります。スポーツや音楽など自分の「好き」を探しておきましょう。
◆3.コミュニケーション能力
知らない環境に飛び込むのは誰でも勇気がいることです。このような環境で誰かに話かけられるのを待つのではなく、自分から「自分はこういう人間です」ということを発信していくコミュニケーション能力は不可欠です。さまざま場面で人と関わりを持ちながら、少しずつコミュニケーション能力を磨いておきましょう。
◆4.やり抜く経験を積む
海外の教育移住をすると初めは「言葉がわからない」、「言いたいことが言えない」などさまざまな壁にぶつかることがあります。しかし、元から何かをやり遂げる経験を持っている子どもはすぐにへこたれません。最近日本でも「※GRIT(グリット)」という「やり抜く力」が注目されています。日本にいても役立つこの力、ぜひ身につけたいですね。
GRIT(グリット) ・Guts(ガッツ):困難に立ち向かう「闘志」 ・Resilience(レジリエンス):失敗してもあきらめずに続ける「粘り強さ」 ・Initiative(イニシアチブ):自らが目標を定め取り組む「自発」 ・Tenacity(テナシティ):最後までやり遂げる「執念」 ※ペンシルベニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワース氏提唱 |
◆ 5.移住先の語学に触れておく
最後になりましたが、移住が決まっているのであれば少しでも移住後のハードルを下げるべく、移住先の語学に触れておくこともおすすめします。現地に行って数年経てば、むしろ日本語維持のほうが大変になってくるほど、英語などの習得は心配しすぎることはないはずです。しかし、子どもの性格や年齢により語学の習得をしておくほうがより良いと思われる場合は、語学の準備もしておきましょう。
教育移住をするのにおすすめの海外の国は?
海外への教育移住、どのような国が良いのでしょうか?子どもにあった教育制度が整っている環境、言語、移住者への寛容さ、治安、ビザの取得のしやすさなどあらゆる側面から考える必要があります。特にビザの取得要件は世界情勢により頻繁に変更されていますので、移住先として理想的な候補が見つかっても最終的にビザの取得が困難で教育移住が叶わない、、ということもありますので十分に情報収集を行いましょう。
◆シンガポールやマレーシアなどのアジア圏
アジア圏の中でもシンガポールやマレーシアなどは、教育水準も高く、教育移住をしているご家庭も多いです。中でもシンガポールはアジアの中心地として世界中から企業が集まり、もとから他民族国家ですが、より多くの人種のご家庭と出会える可能性も高まります。
また、マレーシアもIBやモンテッソーリなど多様な教育環境があり、学費もさまざま。気候も常夏で過ごしやすく人気の教育移住先です。ただし、常夏のため屋内施設で遊ぶことが多く「自然を感じながら屋外で遊ぶ」というイメージがなく、のびのびと大自然で過ごしたいというご家庭には不向きかもしれません。
◆イギリスなどのヨーロッパ圏
まず、ヨーロッパの中で英語圏はどこの国でしょう?イギリス、アイルランド、マルタ共和国が挙げられます。
マルタ共和国は聞き慣れない国ですが、治安もよく、実際に移住をされたご家族もいるようです。また、「子どもの幸福度レポート」で1位にランクインしたことのあるオランダも英語環境が整っており、子どもの主体性を重んじる教育方法で移住先として注目されています。同様に大人も幸福度が高いと言われる北欧諸国も教育制度が整っています。その他、大自然に恵まれたスイスやオーストリアなども魅力的ですね。
◆アメリカやカナダなどの北米
アメリカやカナダは英語圏としては王道の移住先です。都市部もあれば田舎もあり、自然にも恵まれゆとりのある住環境も望めるでしょう。
カナダは移民を多く受け入れている事情もあり、移民に優しい国でもあります。アメリカではプライベートスクール、チャータースクール、ホームスクールなど多様な教育環境が選択でき、大学進学率も約87%と世界でも高い比率。また、アメリカの大学はThe Times Higher Education World University Rankings 2023(世界の大学ランキング)トップ10に7校もランクインしています。このように世界基準の教育を望める環境ではありますが、物価の高さや医療費の高さなどの懸念事項もあります。
海外教育移住や留学はいつからがおすすめ?
海外への教育移住はいつからが良いのでしょうか?それは、ご家庭が何のために海外へ教育移住をしたいのか。その理由を考えると自然と見えてくるのではないでしょうか?言葉の壁を感じさせないために、幼少期に移住するのも一つの考え方です。
また、中学受験勉強などの真っ只中に今の教育環境に疑問を持ち、よりよい環境を求めて移住するケースもあります。教育移住の後、日本に帰国する予定にしているのか、していないのかにもよります。
結論としては、教育移住の目的には言語の習得の場合もあれば、子どもの幸福感の取得、高い教育水準の環境などさまざまなので、その目的に合った時期に行くことが一番です。
海外への教育移住は目的を持つことが大切
海外への教育移住についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?教育移住により得られるメリットは語学習得以上のものがあります。国際感覚が身についたり、子どもの幸福度が上がることもあるでしょう。教育環境は人格形成にもとても重要です。どのような環境で育ってほしいのか、どのような人間になってほしいのかを考えるとお子さまにとってのベストな移住先が見つかるのではないでしょうか?
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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