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帰国子女なのに英語ができない?英語なし受験で心配なし

英語ができない、もしくは英語が苦手な帰国子女はたくさんいます。海外に住んでいても帰国子女全員が英語が習得できる環境にいるわけではありませんよね。そんな、英語に苦手意識のある帰国子女の方にぜひ読んでほしい、入試のことや英語の学習法などをまとめてみました。

帰国子女=英語ができる?

日本で帰国子女というと第一声で言われるのが「すごい!」もしくは「英語ができるんだね」といったフレーズ。これだけグローバル社会になり、多くの日本人家庭が海外と日本を行き来し各々の環境はさまざまであるにも関わらず日本での「帰国子女」のイメージは「英語ができる」というステレオタイプが染み付いています。けれども実際にはさまざまなタイプの帰国子女がいて、必ずしも「帰国子女=英語ができる」ではないのが実情です。

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いろいろな帰国子女のタイプがいる

タイプ別 ~帰国子女の英語レベル~

おおまかに4タイプに分けてみました。

①フォーマルな場にも通用する英語・日本語ができる(バイリンガル)
②英語はネイティブなみだけど日本語が苦手
③流暢な英語は話すが、語彙や文法などが子ども英語
④まったく英語ができない

この中で、帰国子女としての苦労のないのは①のタイプのみ。②〜④の帰国子女はそれぞれ帰国子女なりに言語に関する苦労や悩みがあります。

タイプ別 ~帰国子女の教育環境~

帰国子女の現地での教育環境をタイプ別にみていきましょう。

・北米などの英語圏からの帰国子女:
現地校の学校は学費がほとんどかからず、現地の学校は英語教育。駐在家庭も多額の学費を負担せずに子どもが英語を習得しやすい。

英語の習得状況については渡航時の年齢、滞在期間によりさまざま。また、現地校でもESL(英語を第二言語とするお子さま対象の英語クラス)での取り出し授業を卒業しないまま帰国した場合や、日本人の比較的多い地域などに滞在し現地人との交流が著しく低い場合は、高い英語力を身につけるのが難しいケースもあります。

・アジア、ヨーロッパ、アフリカなど英語が公用語ではない地域からの帰国子女:
日本人学校、現地校、インターナショナルスクールの中から通学する学校を選択。
企業によって学費を負担してくれることもありますが、一般にインターナショナルスクールは費用が高い(約100~400万円/年間)ため、自己負担となる場合は日本人学校一択となる場合もあります。

英語の習得状況は通学する学校によってもさまざまです。
日本人学校に通う場合、現地の公用語が英語ではないことに加え、学校が日本語メインの環境となると英語を習得するのは難しいでしょう。一方で公用語が英語ではなくてもインターナショナルスクールなどに通っていると英語の習得率も高くなります。

タイプ別 ~帰国子女でも英語ができない人の特徴と理由~

帰国子女は英語ができるというのは全ての帰国子女にあてはまるわけではありません。英語力を身につけるのが難しい環境で海外生活を送る帰国子女も多くいます。

①英語圏に住んでいない
②日本人学校に通っている
③ESLなど、英語準備コースに通っていない
④滞在期間が短い
⑤現地人との交流が少ない

英語力を上げるためのコツ

このように帰国子女だから英語ができるという考えは、一方的な思い込みでもあるので全く気にする必要はないでしょう。しかし、最近の英語を重視する日本の教育改革の流れや、帰国子女入試では英語が必要とされることが比較的多いため英語ができるにこしたことはありません。

海外滞在中に英語力を上げるコツ

英語圏に住んでいれば一番英語力をあげるのに効果的なのはやはり現地に溶け込むこと。現地人の友達を作り、現地人と同じように学校の授業を受け、「英語ができるのがあたりまえ」の状況に慣れるよう、自分自身のマインドを切り替えていくことがコツです。なかなか簡単なことではありませんが、やってみてマイナスになることは一つもないはずです。

また英語圏、非英語圏に限らず、学力的な部分でしっかりとした英語力を身につけたい場合は、家庭教師や英語塾など学校以外の学習環境を用意することがおすすめです。英語の習得レベルの状況や年齢によっては「日本人教師に習うほうが良い」場合と「英語ネイティブ教師に習うほうが良い」場合があります。

英語を身につけるのに苦労した経験がある日本人教師と、自然と英語を生まれた頃から話すことができる英語ネイティブ教師では、生徒への理解と教え方に違いがあるからです。いずれにしても、生徒の置かれた環境や状況を理解してもらい、寄り添いながら英語を教えてもらうことが大切なポイントとなります。

オンライン英会話なども一つの方法ですよね。その他、おすすめなのが海外によっては洋書が日本よりも安価で手に入ることがあります。また、現地の図書館でもさまざまな洋書に触れることができます。多くの英語の本を読むことは英語力の向上に非常に役立ちますよ。

日本帰国後に英語力を上げるコツ

日本帰国後も基本的には海外滞在中とは変わりません。

①日本国籍のお子さまが入学できるインターナショナルスクールに通う
②英語教室、帰国子女専門の英語教室に通う
③オンライン英会話を利用する
④英語家庭教師をつける
⑤英語学童(アフタースクール)に通う
⑥インターナショナルスクールなどが開校している英語補習校に通う
⑦英語に強い中学校・高校・大学などの学校に編入する

インターナショナルスクールの学費や敷居が高い、公立でいいよという場合には、インターナショナルスクールのサタデースクールを利用してはいかがでしょうか。週末に英語補習校のような形で開校している学校があります。海外にルーツを持つ多くのお子さまや帰国子女が通っているので同じような境遇のお友達にも出会えることがあるでしょう。

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帰国子女の英語力保持!帰国後も英語力を維持してさらに伸ばす方法とは?

英語のできない帰国子女にも貴重な経験はある

英語ができることだけが帰国子女のメリットではありません。

①日本語を正しく使いこなせる
日本人学校などに行っている場合、日本語を正しく使いこなすことができ日本の学校に帰国しても他の生徒とのコミュニケーションがとりやすいなど、周囲に馴染むことが早いかもしれません。

②英語を話す環境にいた帰国子女にはない貴重な海外経験をしているケースもある
例えば、超危険地域に滞在していて移動は常に運転手付きの車のみでほぼ家と日本人学校の往復のみを行き来するという特殊な環境にいた、日本人学校で日本全国各地から集まった日本人生徒と貴重な海外経験を積むことができたなど、英語は話せなくとも他に類を見ない貴重な海外経験をしているケースもあります。他のお子さまとの違う経験は日本で育った子どもたちにも良い刺激となるでしょう。

③日本と海外の違いに気づきやすい
滞在年数が短いなど、海外生活に対して新鮮な視点を持ったまま帰国したお子さまならでは!日本の慣習も残りつつ海外の文化や習慣にどっぷり浸かっていない分、双方に客観的な視点を保ち、日本の良さや海外の違いに気づきやすく、異文化に理解を示しやすい能力が身についていることもあるようです。

英語科目のない帰国子女の受験

日本の中学受験では、帰国子女であっても入学後に授業についていけるだけの学力があるかを見る学校があります。2023年度入試の帰国子女入試で英語科目を採用していない中学校をここで紹介します。

・学習院中等科:国語(作文含む)、算数、面接(日本語もしくは英語)
・逗子開成:国語・算数 もしくは 算数・英語
・立教池袋:国語・算数・児童面接(個人)(※英語(外国語)力は、希望者のみ面接時に口頭で実
施)
・学習院女子:国語・算数・作文(日本語もしくは英語)、面接
・実践女子学園:算数・面接
・成城学園:国語・算数・面接(受験生および保護者の面接を別々に実施)
・桐蔭学園中等部:国語・算数もしくは英語・算数
・慶応湘南藤沢: 国語・算数・社会・理科(4科目)もしくは 国語・算数・英語(3科目)
※最新情報は、各校の募集要項でご確認ください。

帰国子女で英語を受験科目に含めずに受験できる中学校はこの他にも数多くあり、帰国子女であっても基礎学力が重要視されていることが垣間見ることができます。

英語のできない帰国子女でも問題なし!

帰国子女は英語ができるというイメージはどうしても人々の中に浸透しています。しかし、実際には英語ができる帰国子女だけではありません。英語ができなくても、かけがえのない、貴重な海外生活の経験があったりグローバルな感覚を体得していたりと見た目や英語力だけでははかれない魅力をたくさん持ち合わせています。そんな帰国子女のチャームポイントをより多くの人に認識してもらえたらなと願います。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

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