帰国子女の高校受験の条件は?高校受験の基礎知識をご紹介
高校受験を控えている帰国子女や海外子女の皆さんに、高校受験の特徴をお届けします。高校受験の条件や受験科目、試験日などを詳しくご紹介。また、受験対策のポイントもお伝えします。
帰国子女が日本の高校に入学するための条件は?
文部科学省は、日本の高校を受験する受験生に対して以下、5つの条件を定めています。日本の高校に入学するためには、以下のいずれかの条件に該当することが必要です。
- 中学校、特別支援学校の中学部等を卒業した者、
又は中等教育学校の前期課程を修了した者
(学校教育法第57条) - 外国において、学校教育における9年の課程を修了した者(学校教育法施行規則第95条 第1項)
- 在外教育施設(中学校と同等であると指定された課程)を修了した者
(学校教育法施行規則第95条第2項) - 文部科学大臣の指定した者 (学校教育法施行規則第95条第3項)
- 就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定規則
(昭和41年文部省令第36号)により、中学校を卒業した者と同等以上の学力があると認定された者
(学校教育法施行規則第95条第4項)
参考:文部科学省
3番目に記されている在外教育施設とは、文部科学省が定めた日本人学校です。こちらの学校の中等部の教育課程を終了していることを条件としています。帰国子女や海外子女の皆さんは、日本の高校に入学する条件を満たしているのかをしっかりと確認しておきましょう。
不明な点は、公立高校を受験するのであれば各都道府県の教育委員会に、私立高校であれば学校に問い合わせておきましょう。
帰国子女の高校受験の条件は?
一般的に帰国子女や海外子女の高校受験の条件は、大きく分けて3つです。1つ目は、帰国年数です。帰国して通常2〜3年を条件としている学校が多くあります。
2つ目は、海外在住年数です。平均して2〜3年の海外在住年数を要すると定めている学校が多いようです。
3つ目は、出身校の種類です。出身校は、インターナショナルスクールや日本人学校、現地校としている学校が多くあります。
この他にも、継続して海外に在住していたことというように、海外在住期間に継続性を求めている学校や保護者と同居しており自宅から通学可能なこと、通学時間を定めている学校もあります。
また、TOEFL iBT®やTOEIC®のスコアを何点以上と求められたり、英検を保有していることなどを条件としている学校もあります。受験する学校の募集要項を熟読して、受験の条件を満たしているのかを確認しておきましょう。
帰国子女や海外子女のおすすめの資格について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひチェックして下さい。
受験条件
・帰国後年数:
平均して2~3年
・海外在住年数:
平均して2~3年
・出身校の種類:
インターナショナルスクール・日本人学校・現地校
帰国子女の高校受験の特徴は?
ここでは、帰国子女や海外子女の高校受験の試験科目や試験日時について、詳しくお伝えします。
試験科目は受験校によってさまざま
帰国子女や海外子女の試験内容は、公立や私立高校、国公立高等学校など、受験する学校によって異なります。一般的には、国語・数学・英語・理科・社会の5教科に作文と面接を組み合わせて、試験を実施している学校が多いようです。
例えば、5教科と作文・面接の全ての試験を実施している学校や、英語・数学・面接・作文の試験を実施している学校、英語の小論文と面接の高校など、試験科目のバリエーションはとても豊富です。
受験する学校を決定したら、早めに受験勉強に取り組みましょう。
【試験科目】
・国語・数学・英語・理科・社会・作文・面接
出願期間や試験日をチェック
帰国子女や海外子女の高校受験の出願期間や試験日は、国立高校や公立高校、私立高校によって異なっています。一般的に国立高校の出願期間は、12月中旬〜1月下旬で、試験日は1月中旬〜2月中旬のようです。
国立高校の試験は、公立高校や私立高校よりもやや早い時期に実施され、帰国生入試と一般入試を同じ日に行う傾向にあります。
公立高校の試験は、1月中旬〜2月下旬に実施している学校が多いようです。帰国生入試を2月に実施し、一般入試を3月に実施している公立高校もあれば、帰国生入試と一般入試を同じ日に実施している都道府県もあります。
私立高校の場合は、出願期間が1月〜2月、試験を2月に実施している学校が多いようです。私立高校の中には、10月〜11月にオンライン試験を実施している学校もあります。
帰国子女や海外子女の出願書類は、一般の受験生よりも準備する書類が多いことが特徴です。海外在留証明書や海外在学中の成績証明書などが必要になります。
書類の不備や記入漏れがないように、時間に余裕を持って準備をしましょう。
帰国子女が高校受験前にしておきたいことは?
ここでは、帰国子女や海外子女の受験生の皆さんに受験の準備や対策方法についてお伝えします。
行きたい学校の情報収集が大切
受験する学校の情報は、なるべくたくさん集めましょう。日本に帰国している受験生の皆さんは、学校説明会や入試説明会などに参加することがおすすめです。
学校説明会などに参加する場合は、帰国子女や海外子女向けの学習サポートは充実しているのかなど、あらかじめ知りたいことや質問したいことをまとめておくと良いでしょう。学校説明会の時間を有意義に過ごせるはずです。
海外に在住している受験生の皆さんには、オンラインの入試説明会や学校説明会への参加がおすすめです。学校によって、YouTubeチャンネルやInstagram、FacebookなどのSNSを活用して情報発信をしています。いろいろなツールを使って、学校の情報を集めておきましょう。学校選びのポイントについて、
さらに詳しく知りたい方は、下記の【関連記事】もぜひ、ご参考下さい。
試験科目の対策方法
受験する学校が決まったら、さっそく受験勉強に取り組みましょう。どの教科もくまなく、学習しておくことが大切です。試験問題については、帰国子女や海外子女の専用の問題を作成している学校もあれば、一般入試と同じ問題で試験を実施している学校など、さまざまです。
受験する学校の過去問を購入し、試験の出題傾向を分析して、受験勉強に取り組みましょう。
帰国子女や海外子女の皆さんの中には、国語に苦手意識がある方もいるかもしれません。
国語が苦手な場合は、普段の生活の中で日本の新聞などを読む時間を作り、日本語に触れる機会を意識的に増やすと良いでしょう。漢字の使い方や文章の構造などの勉強になるため、おすすめです。
英語については、日常会話に必要な英語力と試験問題を解くために必要な英語力は異なります。受験に必要な語彙力や文法力をしっかりと身につけていれば安心です。
面接と作文の対策方法
帰国子女や海外子女の高校受験では、面接と作文が広く実施されています。作文は、日本語を正しく使うことが求められています。
漢字の送り仮名の間違いや二重尊敬語、主語と述語のねじれなどに気を付けましょう。また、作文は原稿用紙の形式で出題している学校もあります。原稿用紙の正しい使い方を身につけておきましょう。
面接は、日本語と英語の両方で行われる場合や、日本語のみで行われる場合もあります。募集要項で面接の形式をあらかじめ確認しておきましょう。
ここで、おすすめの面接と作文の対策方法をご紹介します。それは、日頃から「日記をつけること」です。学校生活で楽しかったことや家族との思い出などを書き留めておきましょう。進学塾や通信講座を受講して、面接や作文の対策をすることはもちろん良い方法ですが、日記をつけることは海外に在住している間でも、毎日簡単に取り組むことができます。
また、日記の中には作文や面接で問われる可能性のある、課題・質問に対してのあなたの思いが書き記されているはずです。ぜひ海外にいる時から「日記をつけること」を、あなたの受験対策に取り入れてみてください。
帰国子女の高校受験は事前準備が大切
この記事では、帰国子女や海外子女の高校受験の条件や受験科目、試験日時などの高校受験の特徴をご紹介しました。帰国子女や海外子女の高校受験の特徴を把握して、受験の準備をスムーズに進めましょう。
受験を終えたその先には、きっとキラキラとした高校生活が待っているはずです。受験生の皆さんを心から応援しています。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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