ダブルスクールとは?インターナショナルスクールとの両立や通信制高校の活用実例もご紹介!

インターナショナルスクールで学ばせたい一方、日本の教育や将来の進路も確保したいと考える家庭は少なくありません。この記事では、ダブルスクールの仕組みや就学義務、通信制高校との組み合わせ方を、海外赴任に伴う実例も交えて解説します。
▼こちらもおすすめです!
ダブルスクールとは
ダブルスクールとは、2つの学校や教育課程に並行して在籍し、それぞれの教育を受ける学び方です。法律上の正式な制度名ではなく、組み合わせ方も家庭や学校によって異なります。
たとえば、日本の学校とインターナショナルスクール、全日制高校と海外のオンラインスクール、通信制高校と現地のインターナショナルスクールなどの組み合わせが考えられます。
帰国生や海外赴任中の家庭にとっては、英語力や国際的な学習環境を維持しながら、日本の高校卒業資格や国内大学への進学ルートを確保する方法のひとつです。
ただし、2校に在籍しているだけで、それぞれの卒業資格や単位を自動的に取得できるわけではありません。就学義務、在籍要件、出席日数、単位認定、卒業資格などを、学校や教育委員会へ事前に確認する必要があります。
◆日本の就学義務を満たすには?
日本国籍を有し、日本国内に居住する学齢期の子どもの保護者には、子どもを学校教育法第1条に定める学校、いわゆる「一条校」へ就学させる義務があります。対象となるのは、原則として満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年から、満15歳に達した日の属する学年の終了までです。
一条校に該当する義務教育段階の学校には、主に次の学校があります。
| ▪小学校 ▪中学校 ▪義務教育学校 ▪中等教育学校の前期課程 ▪特別支援学校の小学部・中学部 |
多くのインターナショナルスクールは、一条校ではなく、各種学校または無認可の教育施設に該当します。そのため、日本国籍を有する学齢期の子どもを一条校ではないインターナショナルスクールのみに通わせても、学校教育法上の就学義務を履行したことにはなりません。
ただし、外国籍のみを有する子どもの保護者には、日本の法律上の就学義務は課されていません。重国籍で日本国籍も有する場合は就学義務の対象となるため、国籍や国内の居住状況を踏まえた確認が必要です。
参照:文部科学省「学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」
◆一条校でないインターナショナルスクールに通った場合
とはいえ、教育方針や先々の進路を見据え、一条校でないインターナショナルスクールに通わせたいご家庭があるのは事実。そういった場合には、市町村や学校長の判断により学区内の公立小学校に籍だけ残し、義務教育の要件を満たすことができるケースもあります。
ただし、そのような市町村や学校は非常に数少ないことから、一条校でないインターナショナルスクールに通う場合は事前に確認をとることをおすすめします。
| ダブルスクールの方法(例) インターナショナルスクールの夏休みは、通常日本の公立小学校よりも早く始まるためインターナショナルスクールが夏休みに入り次第、日本の公立小学校へ通うことができます。 また、学校長の許可次第では籍だけおいたままで、ということも可能なようです。 ただし、インターナショナルスクールの費用に加え、ほとんど使わない日本の公立小学校での学用品も必要となるなど、コストは割高になるのは事実です。 |
義務教育以降のダブルスクールと通信制高校
高校は義務教育ではないため、小・中学校とは異なり、家庭の進路方針に合わせて学校や教育課程を組み合わせやすくなります。代表的な方法が、日本の通信制高校に在籍しながら、インターナショナルスクールや海外のオンラインハイスクールで学ぶ形です。
日本の高等学校卒業資格を取得するには、一条校である高校などで所定の要件を満たす必要があります。通信制高校の場合も、レポート提出、スクーリング、試験、必要な単位の修得などが求められます。海外に滞在しながら学べる学校もありますが、スクーリングの場所や回数、海外からの受講可否は学校ごとに異なります。
また、インターナショナルスクールで取得した単位を通信制高校へ移行できるか、通信制高校の単位をインターナショナルスクール側で認めてもらえるかは、それぞれの学校の判断によります。ダブルスクールを始める前に、単位認定の対象科目や上限、必要書類、卒業時期への影響を確認しましょう。
インターナショナルスクールの高等部を修了した場合、日本の「高校卒業資格」と同一の資格が得られるとは限りません。
ただし、国際バカロレア(IB)資格を取得した場合や、文部科学省が指定する国際的な評価団体の認定を受けた教育施設で12年の課程を修了した場合など、一定の条件を満たせば日本の大学入学資格が認められます。高校卒業資格と大学入学資格は別の概念であるため、混同しないことが重要です。
ダブルスクールを選択する理由
ダブルスクールを選ぶ理由は、英語力や国際的な学びを身につけるためだけではありません。日本の教育との接続、国内外の大学進学、海外赴任への対応、健康状態に合わせた学習の継続など、家庭や子どもの状況によって目的は異なります。
◆日本の学校とインターナショナルスクールを組み合わせる
義務教育期間中に検討されるのが、日本の学校で学習指導要領に沿った教育を受けながら、放課後や週末、長期休暇を利用してインターナショナルスクール系のプログラムへ参加する方法です。
日本語による基礎学力や地域とのつながりを維持しながら、英語や探究学習、多文化環境に触れられる点がメリットです。将来、日本の中学校や高校へ進学する可能性がある場合も、国内の教育課程との接続を保ちやすくなります。
一方、平日の日中に2つの学校へ同時に通うことは現実的ではありません。学習量や移動時間が増え、子どもの自由時間や休息時間が減る可能性もあります。「2校に通わせれば教育効果も2倍になる」とは限らないため、本人の体力や性格、学校生活への適応状況を優先して検討することが大切です。
◆海外大学進学を見据えて学ぶ
高校段階では、日本の高校卒業資格を確保しながら、IBや海外の高校課程を学び、海外大学への出願に備える目的でダブルスクールを選ぶケースがあります。
海外大学の入学要件は、国・大学・学部によって異なります。日本の高校卒業資格で直接出願できる大学がある一方、所定の成績、英語資格、共通試験、ファウンデーションコースの修了などが求められる場合もあります。
そのため、「海外の高校卒業資格を取れば必ずファウンデーションコースを省略できる」とは限りません。志望大学の最新の出願要件を個別に確認しましょう。
IBなどの教育課程では、エッセイ、プレゼンテーション、ディスカッション、探究活動を通じて、海外大学で必要となるアカデミックな英語力や主体的に学ぶ力を養える可能性があります。
◆状況に応じた柔軟な活用実例
ここでは、海外赴任や子どもの健康状態に合わせてダブルスクールを活用した2つの実例を紹介します。
ケース1 通信制高校で卒業資格を確保しながら、海外のインターナショナルスクールへ
日本の高校に通っていた生徒が、体調上の事情から継続して登校することが難しくなり、通信制高校へ転校しました。その後、家族のシンガポール赴任に伴い、通信制高校に在籍したまま渡航しました。
体調が回復してきた段階で、現地のインターナショナルスクールに事情を説明し、日本の通信制高校との並行在籍について相談。通信制高校では日本の高校卒業資格の取得と国内大学への進学を目指し、インターナショナルスクールには無理のない範囲で通って英語力を伸ばしました。
その後、通信制高校を卒業して国内大学に合格したため、インターナショナルスクールは卒業を待たずに退学しました。
※なお、このケースでは複数のインターナショナルスクールに相談し、受け入れを断られた学校もあったそうです。ダブルスクールや変則的な通学を認める(国際バカロレア)学校は限られる可能性があります。
ケース2 通信制高校の単位を活用して、インターナショナルスクールの元の学年へ
シンガポールのインターナショナルスクールへ入学する際、英語力などを考慮し、日本で在籍していた学年より1学年下の学年からスタートした生徒のケースです。
インターナショナルスクールへ通いながら日本の通信制高校でも学習を続け、日本の学年に対応する単位を取得しました。その単位や学習状況についてインターナショナルスクール側の審査を受け、元の学年へ移ることが認められました。その後はインターナショナルスクールに一本化し、同校を卒業しています。
単位認定、学年の変更、並行在籍の可否は、学校の規程や生徒の学習状況によって異なります。希望する学校へ事前に問い合わせ、できれば回答を文書で確認しておきましょう。
おすすめの通信制高校
海外在住やインターナショナルスクールへの通学など、従来の学校生活とは異なる環境でも、ご家庭の事情に合わせて、高校卒業資格の取得を目指せるのが通信制高校の特徴です。ここでは、ダブルスクールを検討しているご家庭にも選択肢となる通信制高校をご紹介します。
◆HR高等学院
通信制サポート校であるHR高等学院は、提携校から提供する高卒資格を取得することができます。2027年4月より「ミネルババカロレアコース」を開講予定。授業は100%英語の双方向オンライン形式で、思考力・対話力・問題解決力など、大学進学後やその先の社会で求められる力を実践的に磨きます。
ダブルスクールを選ぶ前に確認したいこと
ダブルスクールは、インターナショナルスクールの教育と日本の進路を両立したい家庭だけでなく、海外赴任や帰国時期、お子さんの健康状態、英語力などに合わせて学び方を調整したい家庭にとっても、選択肢のひとつとなります。
一方で、複数の学校に在籍しても、両方の卒業資格や単位が自動的に取得できるわけではありません。検討する際は、次の点を学校や教育委員会へ確認しておくと安心です。
| ▪並行在籍が認められているか ▪日本の就学義務を履行できるか ▪取得できる卒業資格や大学入学資格は何か ▪他校で修得した単位が認定されるか ▪スクーリングや出席日数の要件を満たせるか ▪海外から継続して受講できるか ▪希望する国内大学または海外大学へ出願できるか ▪学費や移動時間、学習量が家庭やお子さんの負担にならないか |
制度や資格に加えて、お子さんが無理なく学び続けられる環境かどうかも、大切な検討材料です。学習内容や通学方法、本人の体調、希望する進路、家庭の海外赴任計画などを整理すると、それぞれの家庭に合った学び方が見えやすくなるでしょう。
ダブルスクールのほかにも、通信制高校、IB認定の一条校、ダブルディプロマコースなど、「海外の学び」と「日本の進路」をつなぐ方法があります。それぞれの特徴や取得できる資格を比較しながら、お子さんと家庭に合う進路を考えてみるのはいかがでしょうか。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
【関連記事】
最新情報をLINEとメルマガでお届けしています!ぜひお友だち追加・フォローしてください。








