中学校からインターナショナルスクールへ行くには?
〜日本のグローバル校との違い、メリットやデメリットを徹底解説〜
近年、中学校の進路の一つとしてインターナショナルスクールへの関心が高まっています。中学校からインターナショナルスクールに行くには?メリットやデメリット、そして国内のグローバル中学校との違いをご説明します。
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インターナショナルスクールの中学校とは
日本のいわゆる「インターナショナルスクール」は、「一般的には主に英語により授業が行われ、外国人児童生徒を対象とする教育施設である」と文部科学省のHPに記載があります。インターナショナルスクールは「一条校」として認められている施設もあれば、「各種学校」と位置付けられるもの、また、無認可の施設もあります。
国際的なカリキュラム(IBやIGCSEなど)を提供し、海外から転勤で日本に来ている子どもたちや国際的な教育を求める日本人家庭の子どもたちが学んでいます。
中学からインターナショナルスクールに進学するメリット
◆グローバルな環境での学び
インターナショナルスクールでは多様な国籍や文化背景を持った生徒たちと学ぶことができます。学校においても生徒たちの持つ文化的バックグラウンドを尊重した行事などが開催されます。このような多様性豊かな環境に身をおくことで、子どもたちは異文化への柔軟な理解を深め、柔軟な思考力を養うことができます。
◆英語力の向上
日常的に英語を使用するため、高い英語力を身につけることができます。特に中学生の時期はよりアカデミックな英語スキルが授業で必要となります。単なる日常的な英会話を超えた英語を身につけたいのであれば、中学生からインターナショナルスクールに通うことも良いタイミングでしょう。
◆国際的な視野が身につく
インターナショナルスクールで採用されているカリキュラムには、グローバルな課題に取り組むプロジェクトなど、地球規模のトピックについて考える機会が豊富です。広い視野を身につけ、グローバルな問題を解決する能力を培うことができます。小学校の時期に比べて中学校ではより理解力や思考力も深まり、「外から見た日本」というように客観的に日本を見るなど、より成熟した国際的な視野が身につきます。
◆海外大学進学も視野に
多くの海外大学で出願資格として認められている、IBプログラムやA-Levelなどの国際カリキュラムを採用しているインターナショナルスクールで学ぶことにより、海外大学への進学がより身近なものになります。
中学からインターナショナルスクールに進学するデメリット
◆学費
インターナショナルスクールは文部科学省の認める日本の学校とは形態が異なるため、国や自治体の補助が受けられない学校が多くあります。そのため、日本の公立中学校よりはもちろん、私立中学校よりも学費が高額となる場合があります。
◆日本の教育システムとの違い
インターナショナルスクールは日本の学校教育法で定められた「一条校」に該当する学校がほとんどありません。そのため、日本の学校(義務教育)の卒業資格が得られず、日本での進学の際に別途受験資格が必要な場合がある点は注意しなければなりません。
ただし、最近では日本の大学でも徐々にIB入試などを取り入れるなど、積極的に多様な教育環境で育った学生を募集する傾向にあり、一概に「インターナショナルスクール卒なので大学受験資格がない」とは言えない状況になっています。
日本国内のグローバル校との違い
インターナショナルスクールを検討しているご家庭は日本のグローバル系の私立中高一貫校も検討されている方が多いのではないでしょうか?ここでは、日本国内のグローバル校との違いを説明します。
◆ カリキュラムの違い
日本国内のグローバル校(国際コースやIBコースなどがある学校)は、日本の文部科学省に基づく学習指導要領を踏まえつつ、英語教育や国際理解教育に力を入れています。一方、インターナショナルスクールは基本的に日本の学習指導要領には基づいていない点が異なっています。
◆教育環境の特徴
日本国内のグローバル校では日本の学校文化を基本とし、そこに国際的な要素を取り入れている環境の学校が多いです。国語や算数に関しては日本と同様のカリキュラム、英語においてはレベル別にする、またネイティブ教師が在籍し、英語の環境で過ごすスペースがあるなどです。一方でインターナショナルスクールは学校によって異なりますが、国際的なカリキュラムのみを採用しているケースが多く見られます。
◆ 進路選択の幅
グローバル校では日本の大学進学を主な進路と設定し、海外大学への進学にも対応しています。一方でインターナショナルスクールは主に海外大学への進学を想定したカリキュラムを提供しています。
中学からインターナショナルスクールに入学する対策は?
◆必要な英語力
必要な英語力はインターナショナルスクールによって異なります。英語ができなくとも、本人の前向きな姿勢や柔軟性を重視して入学後に英語のサポートを行うスクールもあります。一方でTOEFL Juniorや英検などで測られる英語力が求められる学校もあります。入学後の授業はすべて英語で行われるためインターナショナルスクールを希望するのであれば、できるだけ早くから英語の学習を進めておきましょう。
◆入学試験の概要
入学試験も学校により異なりますが、一般的には以下のようなプロセスを踏むことが多いです。
▪出願書類:願書やこれまでの成績表、今まで通っていた学校の推薦状など ▪学力試験:テストの場合はリーディングやライティング、算数などのテスト ▪面接:模擬授業での行動観察、先生との1対1での英語の質疑応答など |
志望動機や面接などでは新しい文化や考え方を受け入れる姿勢が重要です。また、英語がそこまで話せなくても積極的にコミュニケーションを取ろうとする意識を持つことも大切です。
インターナショナルスクール卒業後の進路は?
インターナショナルスクールは高校までで、その後の進路はさまざまです。卒業後に進みたいキャリアなども踏まえて、進路を考えておきましょう。
▪海外大学への進学
IBプログラムやA-Levelなど、世界中の大学で認知されている高校卒業資格が取得できるインターナショナルスクールに通っていた場合は、海外大学への入学がより身近なものとなります。
▪日本の大学への進学
日本の大学の中でも、英語で授業が行われる学部のある大学など国際系の大学を選ぶ学生が多くいます。日本の大学への進学の場合は上記でも説明した通り、大学受験時の高校の卒業要件を十分に確認しておきましょう。
▪ギャップイヤーを選択
インターナショナルスクールを卒業後、大学進学までの期間を利用してボランティア活動、インターン、旅行などの経験をし、将来の進みたい方向を見つめ直す期間を取る生徒もいます。
中学からインターナショナルスクールに進みたいと思ったら
インターナショナルスクールは、国際的な視野、高い英語力を身につけることができます。グローバル化の進む日本においてはインターナショナルスクールの教育は子どもたちの未来の選択肢を大きく広げるでしょう。一方で、一条校でないスクールの場合は日本の大学の受験資格がない場合があるなどのデメリットもあります。そのためにもお子さまの適性や家族の教育方針をよく見極め、大学までの進路を決めた上で判断することが大切です。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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